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ワーファリンの歴史

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2010/11/04(木)
ワーファリンの開発の経緯

1920年頃,カナダや北部アメリカで,牛に新しい病気が発生したという噂が広がっていた.
若い元気な,それも食欲旺盛な牛が急に出血が止まらなくなってバタバタと死んでいったのである.

1922年,Schofieldが腐ったスイートクローバーを牛に食べさせることがこの奇妙な病気の原因であると報告するまで,
牧場主たちは今までに聞いたこともない新しい伝染病ではないかと恐怖に駆られていた.

スイートクローバーは生育がよく収穫も豊かで,牧草としては優れたものであった.
当時,この地方の牛の飼料が,それまでの牧草からスイートクローバーに変えられつつあったことがこの奇妙な病気を広がさせる原因のひとつになった.

その後,研究が進められ,
この病気にプロトロンビンが関係していることと,
ムラサキウマゴヤシ(この中にビタミンKが含まれていた)を食べさせると出血を止まることなどがわかってきた.

1930年代の大恐慌の頃,
Ed Carlsonという農夫が牛が全滅しそうだといってウィスコンシン大学の生化学者Linkのところに助けを求めて駆け込んだ.
その時,彼は腐ったスイートクローバーを食べて死んだ若い雌牛と,
その雌牛の固まらないままの血を入れたミルク缶,
それに腐ったスイートクローバー100ポンドをトラックに積んでいた.

これを受けたLinkは,
腐ったスイートクローバーの中から出血誘発物質としてdicoumarolを単離して,
さらに誘導体としてwarfarinを合成することに成功した.
1943年であったと言われている.

最初の頃は殺鼠剤(猫いらず)として使われていたが,
やがてMeyerやButtらによって臨床への応用が進められるようになった.



スイートクローバー(Melilotus albaおよびM. officinalis)は,
配糖体であるメリロトシド(melilotoside)を含んでおり,
β-グルコシダーゼで糖がとれるとクマリン(coumarin)が生成する.
(β-グルコシダーゼ:セルロースの分解に関連する酵素)

クマリンはPenicillium nigricansなどのカビで代謝されて,
ジクマロール(dicumarol)となる.

ジクマロールは牛の腸内で産生・吸収され,
牛の肝臓における血液凝固因子の生成を阻害すると考えられる.








Warfarinの名前の由来

Warfarinという名前はこの物質のライセンスを持っていた米国ウィスコンシン大学Wisconsin Alumni Research FoundationのWARFとcoumarin系薬物の語尾coumarinのARINとから名づけられた.







参考資料
Warfarinの適正使用情報 第2版 エーザイ株式会社 臨床研究センター
スイートクローバー中毒:http://www.niah.affrc.go.jp/disease/poisoning/manual/dicumarol.html
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